ペゼシュキヤーン大統領は2日火曜、習近平国家主席と会談した際、「我々は両国間の25か年包括的合意の全条項の履行に協力する用意があり、必要なメカニズムの追求により、的を絞った賢明な実用主義を議題に組み入れることができる」と語っています。
また「いかなる状況下でもイラン・中国間の協力を継続し、中国との関係を最大レベルに引き上げる用意がある」とした上で、「米国は一極主義政策の続行・拡大させようと様々な国への侵略を容認しており、今やこの点に関して節度や制限など全く眼中にない」と述べました。
一方、習近平国家主席も、将来を見据えて対イラン関係拡大への準備と意欲があることを強調し、「両国間のこれまでの合意の履行を加速させることは可能であり、中国は様々な分野でイランとの協力拡大の用意があり、またその関心を持っている」とコメントしています。さらに「イランへの軍事攻撃は国際的な原則や法規範への明確な違反である」と述べ、「武力は決して問題の解決手段にならない」と語りました。
そして「イランは我々の戦略的パートナーであり、一極主義に対抗するために我々はSCO上海協力機構の強化に真剣に協力する必要がある」と述べています。
習近平主席はまた「我々は正義と公正さを堅持し、イランの核の平和利用の正当な権利を認めている」とし、「近年、米国や西側諸国による制裁にもかかわらず、我々は恒常的な協力の基盤を築いており、現在ではあらゆる分野、特に交通分野で双方に利益となる形での関係拡大に向けた準備ができている」とコメントしました。
ペゼシュキヤーン大統領は、SCOおよびSCOプラスの第25回首脳会合、そして第2次世界大戦終結80周年を記念する軍事パレードに出席するため、中国の招待で同国を訪問し、全日程の終了後中国・北京からテヘランに向けて出発しました。
イランと中国の両首脳は今回の会談において、経済、政治、安全保障における協力、そして25か年包括的合意の履行の重要性を強調しました。両国間のこの包括的合意の履行は、様々な戦略的観点から特に重要とされています。この合意はイランと中国の長期的な協力関係を示す文書であることに加え、米国および西側諸国からの制裁と圧力の時代におけるイランの国際交流関係の新たな道筋を描きうるものです。
イランは、中国の「一帯一路」構想の軌道に乗ることで、地域の交通ルートのトランジット・ハブ拠点となりえます。この合意には、石油、ガス、石油化学、輸送、インフラ、テクノロジー分野への中国の大規模な投資が含まれ、イランは、高速鉄道・道路などの大規模プロジェクト開発において、中国の資金・技術源の恩恵にあずかれるのです。
中国はこれまでに繰り返し、米国の対イラン制裁に反対を表明し、核分野におけるイランの正当な権利を支持してきました。今回の協力は、イランが西側諸国からの圧力を受けながらも、代替となる経済・外交的道筋を見出す上で役立つ可能性があります。中国はイランを「戦略的パートナー」と位置づけ、通商や地域安全保障を含むあらゆる分野での関係拡大を望んでいます。この合意は、両国関係を永続的な戦略的同盟の形成へと高める可能性を秘めたものです。
イランと中国はSCO上海協力機構において緊密に協力しており、今回の協定の実施は同機構におけるイランの役割を強化することになりそうです。25か年包括的協定の実施は、イランが他の独立諸国とのより広範な包括的協力により、持続可能な発展、経済的自立、そして国際社会との交流の道をさらに着実に追求する上で、大いに有益になると考えられます。
ペゼシュキヤーン大統領が習国家主席と協議したことは、経済、政治、安全保障面での協力の加速・拡大というイラン・中国両当局の真剣な決意を物語っており、これは地域や世界の発展にもプラスに作用すると思われます。
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